GIMPで入稿データを作成する

当ページは、古い情報が掲載され更新が停止したページです。 「GIMP 2.8」の情報が主なコンテンツとなっています。 新しい「GIMP」の情報はこちらをご確認ください。

GIMP(ギンプ)はオープンソースのソフトウェアです。 Windowsはもちろん、MacやLinuxでも動作し無料で使用できます。 手軽なお絵かきツールとしてはもちろん、ちょっとしたロゴを作成したり、特殊効果を使用することができ、Photoshopに迫る機能を有しています。

GIMP(ギンプ)とは

GIMP(ギンプ)とは、「GNU Image Manipulation Program」の略称です。 フォトレタッチ、画像合成といったマルチタスクに対応したソフトウェアです。 多言語に対応し、複数のOSで利用できます。

Adobe Photoshopと同種のソフトウェアです

基本画面

GIMPの基本画面は次のようなものです。 この画面はWindows7 64bitで2.8.16を起動した際の画面です。 環境によっては、配置や配色などが異なる可能性があります。

ウィンドウスクショ

バージョン

GIMPの最新バージョンは2021年03月29日にリリースされた2.10.24です。 フォントの読み込みが調整され起動が高速化しました。 ツールボックスが拡張されましたが、2.8からさらに窮屈な感じになってしまいました。 今の所、2.10での目立った不具合は確認できていません。 当店は2.10.24を導入しています。

2.10のリリースに伴い、バージョン2.8未満の対応は終了します。

保存形式について

GIMPが対応している保存形式で入稿の対応を表にしました。 「保存」「名前を付けて保存」ではなく「名前をつけてエクスポート」を選択して下さい。 「入稿できます」以外の形式でも対応はいたしますが、納期が延びルたり工賃を申し受ける場合がありますのでご了承下さい。 入稿時の保存設定をご確認ください。

形式 説明
GIMP XCF 画像 (*.xcf) × 入稿できません

GIMP独自の形式です。 画像化に対応していないため当サイトの受注システム上では管理に適しません。 環境の違いによる影響の検証も行っておりません。

EPS 形式 (*.eps) ○ 入稿できます

印刷向けに設計された形式です。 未検証ですが、プラグインを使用することでCMYKカラーに変換して保存できるものがあるようです。

GIF 画像 (*.gif) × 入稿できません

ウェブ上でデータサイズを下げて転送容量を減らしたり、アニメーションを実現するための形式です。 色数制限による画像劣化やアニメーション情報が影響する恐れがあるため入稿には適しません。

JPEG 画像 (*.jpg,*.jpeg,*.jpe) ○ 入稿できます

主に写真で使用されている形式です。 ベタやグラデーションは画像圧縮によるブロックノイズが目立ちやすく、トーンジャンプ(色飛び)が発生する恐れがあります。

PDF 形式 (*.pdf) ○ 入稿できます

異なる環境でもレイアウトを崩さないように設計された形式です。 GIMPはラスタツールですが、テキスト情報も保持できるため、高品質な出力を期待できます。 2.8の初期バージョンでは、フォントの大きさや種類の情報が欠落する不具合が確認されています。 PDF形式でエクスポートした後、必ずファイルを開いて確認してください。

Photoshop 画像 (*.psd) ○ 入稿できます

GIMPでエクスポートしたPSD形式は、Adobe Photoshopはもちろん他のソフトウェアとも互換性があります。 当サイトの受注システムとも相性が良く、他のソフトウェアで発生する解像度の不具合も確認されていません。

PNG (*.png) ◎ 入稿できます(推奨)

汎用性のある形式です。 不具合は確認されていません。

TIFF 画像 (*.tif,*.tiff) △ 入稿は避けて下さい

印刷向けに設計された形式です。 当店では未検証です。

Bitmap (*.bmp) △ 入稿は避けて下さい(回避)

ファイルサイズが大きくなりがちで扱いづらいです。 圧縮を伴わないデータ格納方法のため、内容ではなくサイズに比例してファイルサイズが巨大化します。 各処理において時間がかかったり、失敗することがあります。

カラーモード

GIMPはRGBカラーとグレースケールをサポートしています。

「描画色の変更」ダイアログではCMYKカラーの値を設定できますが、実際にはRGBカラーまたはグレースケールとして扱われます。

プラグインを使用することでCMYKカラーで保存できるようになるものがあります。 当店では未検証のため、使用された事で不具合が発生しても一切の責任を負いません。

当店ではRGBカラーで入稿できます。 希望があれば当店で変換を行いますので、入稿のためにCMYKカラーへ変換する必要はありません。

カラーモードを変換しただけでは希望する色になりません。 CMYKカラーに変換した後で、色味を合わせる工程が必要です。 これはプロファイルを基準にカラー値を合わせる場合と、カラー値を基準にプロファイルを作成する方法がありますが、当店では何れの色校正も行っておりません。

入稿前に確認

入稿前にGIMP特有の不備内容を確認してください。 特に理由がなければPNG形式で保存してください。

  • テンプレートファイルを使用しましたか?(必須ではありませんが不備の確率が上がります)
  • キャンバスサイズの解像度は350dpiで塗り足しを含めてmmに換算しましたか?(テンプレートファイルは設定済みです)
  • PNG形式で保存しましたか?(JPEG形式では画像が劣化します)

新規作成

印刷向けに画像を作成する場合は、解像度・単位・キャンバスサイズの設定が必要です。 解像度はRGBカラーなら350、グレースケールなら600にします。 単位はmmにします。 キャンバスサイズは、仕上サイズに6mmを追加した大きさにします。何故大きくするのかについては、トンボについてをご覧ください。 名刺では55x91mmなので、61x97mmにします。 チラシA4では210x297mmなので、216x303mmにします。

キャンバスサイズは、単位がピクセル以外では整数値にならず小数点が表示されます。 希望する大きさを入力していれば、多少の誤差は特に問題はありません。

テンプレートの選択肢にあるppiはdpiと同義です。 ppiはピクセルパーインチ(pixel per inch)、dpiはドットパーインチ(dot per inch)のことで、1インチにどれだけたくさんの点を置けるかということです。 つまり、この値が大きいほど精細な表現ができるということです。 しかし、むやみに大きくしてもデータサイズが肥大化するだけです。 場合によっては画像にモアレや筋が入るなどの不具合の原因となります。

必須ではありませんが、テンプレートファイルのご利用ください。

フォントのアウトライン化について

GIMPは文字を扱うことができ、XCF形式で保存している限り再編集できる状態でテキスト情報が保持されています。 メニューの「レイヤ>テキストをパスに」によりアウトライン化を期待できますが、当店の環境では動作しません。 「レイヤ>文字情報の破棄」によりラスタ化することができますが、アウトライン化ではなくビットマップデータに変換されてしまいます。

テキストは保存形式に応じて自動的に変換されます。 JPEG形式やPNG形式など、ラスタ系の形式で保存した場合は自動的にラスタ化されます。 バージョンにより、EPS形式やPS形式にエクスポートした場合、アウトライン化されずラスタ化される場合がありますのでご注意ください。

古いバージョンではPDF形式で保存した場合にフォントサイズが反映されない不具合があります。

入稿時の保存設定

GIMPの標準保存形式はXCFですが、環境に依存するため入稿データには適しません。

GIMPで入稿するには、PNG形式またはEPS形式で保存してください。 PNG形式であれば、OS標準のビューワやブラウザで内容を確認できるので安心です。 PSD形式では、任意にビューワを追加する必要があるかもしれません。

ファイル形式を指定する

ファイル形式を指定して保存するには、メニューで「ファイル>エクスポート」を選択します。 環境によっては「Export」または「Export As」と表示されているかもしれません。

PNG形式で保存する(推奨)

「画像をエクスポート」ダイアログが表示されます。 GIMPで入稿するには、できるだけPNG形式でファイルを保存してください。 「ファイル形式の選択」でPNGを選択し、任意の「名前」を入力して「エクスポート」します。

「画像をエクスポート」ダイアログが表示されます。 基本的に変更は必要ありませんが、環境によっては初期状態が違う可能性がありますのでご確認ください。

インターレース(Adam7)
チェックを外します。 出力に影響はありません。
背景色を保持
チェックを入れます。 ビューワによっては黒く塗りつぶされて画像を確認できなくなることがあります。 透明色は一般的に白色として扱われますが、念のために背景は白色で塗りつぶしてください。
ガンマ値を保存
チェックを外します。 ガンマ値が有効の場合は、表示と印刷で色味が化けることがあります。
レイヤーオフセットを保存
チェックを外します。 オフセット値が有効の場合は、配置がずれることがあります。
解像度を保存
チェックを入れます。 解像度が保存されていないと72dpiとして処理されます。 出力サイズを判定できなくなる他、解像度不足で不備となります。
作成日時を保存
チェックを外します。 出力に影響はありません。
コメントを保存
チェックを外します。 出力に影響はありません。
透明ピクセルの色の値を保存
チェックを入れます。 透明ピクセルは白として扱いますが、値が保存されてないと想定しない色に化ける恐れがあります。 この色化けは不備とはなりません。 不安な場合は、背景に白を置いて塗りつぶしてください。
圧縮レベル
「9」を設定します。 圧縮レベル(圧縮率)を上げても、JPEGのように画像の劣化はありません。 保存に時間がかかったり処理中に固まってしまう場合は値を順番に下げてみてください。

EPS形式で保存する

「画像をエクスポート」ダイアログが表示されます。 「ファイル形式の選択」でEPSを選択し、任意の「名前」を入力して「エクスポート」します。

「画像をエクスポート」ダイアログが表示されます。 基本的に変更は必要ありませんが、環境によっては初期状態が違う可能性がありますのでご確認ください。

画像サイズ
変更しません。
単位
変更しません。
回転
0」を選択します。 天地が変わると仕上がりに影響します。 不安な場合は、データ内の塗り足しより外側に「天」と追加してください。
出力
PostScript レベル2はチェックを入れ」ます。 「EPS形式はチェックを入れ」ます。 「プレビューはチェックを外し」ます。

PDF形式で保存する

PDF形式のファイルは、入稿データとして普及していますが、GIMP2.8より実装されたPDF形式の保存には、フォント情報が正常に格納されずフォントサイズが化ける不具合があります。

テキスト情報を残したままPDF形式で保存すると、フォントサイズが反映されない不具合を確認しています。 事前にラスタライズすることで回避できますが、漏れの可能性を考えると大変危険です。 この不具合は、2.8.14でも修正されていません。

テンプレートファイル

GIMPの標準保存形式であるXCFのテンプレートファイルを用意いたしました。 専用ページより、サイズを選択してご確認ください。